米系企業の面接で絶対に言ってはいけないこと
|外資系へ転職したい、あるいは、アメリカ国内の企業へ転職してアメリカに住んでみたいと思う方も少なくないと思います。
私は以前日本ではマイクロソフトに勤めていまして、今はロサンゼルスにある会社に勤めています。 これまで何度も面接を受けることもありましたし (MS では社内異動でも面接がありました)、実際に私が面接をする側にもなってきました。
今日はそうした面接の経験から、面接で絶対に言ってはいけないことをご紹介します。
絶対に言ってはいけないこと。志望動機 = 英語を勉強したいから
面接で絶対にやってはいけないこと、言ってはいけないことの第1位はズバリ、 『英語を勉強したいから』 という志望動機です。
そんなの当たり前だ、とおもう方は良いセンスをお持ちです。
でも、本当に驚くほど多くの人が次のような受け答えをしてしまいます。
面接官: 「今回はご応募くださいまして、ありがとうございます。さっそくですが、当社に応募された動機をお聞かせ願えますか?」
応募者: 「はい。それは英語の勉強をしたいからです」
面接官: 「・・・ 」
言いたいことはわかるんです。確かに英語を身につけたい、という気持ちはわかります。
仕事で英語を使えるようになりたい、という心構え自体は良いとは思います。
でも、それを面接で言ってはダメです。
私が面接官なら、よほど後で挽回しそうな何かが無い限りこれで面接終了です。
英語を身につけたいなら、語学学校へ行ってください。
うちは IT の会社ですよ。
英語の勉強は勝手に自分でやってください。
と、思ってしまいます。
インターンシップへの応募などで、あなたに不利な条件をこちらを提示していることが明白な場合はそれもありかもしれません。
つまり、あなたがその不利な条件を飲むための理由として 「(そんな悪条件でも) 私は英語を勉強したいので給料はいりません。働かせてください」 「(そんな悪条件でも) 経験をつみたいと思っているので、頑張ります。ぜひやらせてください」 ということです。それなら、わからなくもない時もあるかもしれません。
でも普通は、会社は会社に貢献してくれる人を探しているものです。
会社で勉強したい人を探しているわけではないのです。
自分がやりたいことより、会社への貢献度を語れ。
繰り返しますが、会社で何かを学びたい、と思っていることはわかります。きっと、これまで英会話学校で勉強してきた人も、実際に英語で働いてみれば、きっと新しい発見もあるでしょう。そうしたことが楽しくて、わざわざ外資系、あるいは、アメリカの企業に応募する、という事情はわかります。
でも、それを面接で言ってはダメなのです。
それはなぜか。
例えば、車屋さんにあなたが車を買いに行くときのことを考えればわかります。
あなたが営業の人にプリウスを薦められたとします。このとき、あなたはプリウスがお薦めである理由を訊ねるでしょう。
あなたは次のどちらの人から車を買おうと思いますか?
会話1
あなた 「どうしてプリウスがお薦めなんですか?」
営業 「それは僕が上司から、お客さんにプリウスを売れ、って言われてるんです。だから、あなたにプリウスを薦めているんです」
会話2
あなた 「どうしてプリウスがお薦めなんですか?」
営業 「プリウスは燃費が良いので、ランニングコストが非常に安く済みます。平日も運転される方なら年間で20万円近くの節約になります。それに車体のデザインも女性にも人気がありますので、こちらに乗っていればモテますよ。」
会話2のトークもそんなに良い訳ではないかもしれませんが、少なくとも会話1よりはマシだとお思いになられた方の方が多いと思います。
会話1の営業は相手の都合を押し付けています。
一方、会話2ではこちらのメリットをあげて、こちらがそれを買うべきである理由を述べています。
面接も同じことです。
会社側が、あなたを採用するべき理由を語らないとダメなのです。
だから、
「あなたの志望動機は何ですか?」
という質問は
「会社はあなたを採用すると何かいいことがありますか?」
という質問だと思ってください。
あなたのやりたいことを聞きたいわけではないのです。こちら(会社)側のメリットが知りたいのです。
答えとしては、会社側のメリットならとりあえず何でもいいです。
「私はプロジェクトマネジメントの経験が豊富なので、御社のお役に立てるはずです」
「私はXXX の開発経験があるので、即戦力として働けます」
とりあえず、方向性としてはこのように、まずは業務について会社に役に立てることを猛アピールするようにしないとダメです。
自分がやりたいこと・学びたいことは、話さないか最後の最後にのみ許される
では、あなたがやりたいことを話したいことを話しては絶対にダメかというと、必ずしもそうではないかもしれません。
しかしながら、あなたがやりたいこと、学びたいこと、というのはあなたの弱点だったり、改善すべき項目である場合が多いわけです。
例えば、「英会話学校で英語は勉強してきたけど、実際の職場で英語を使えるようになりたい」 とひそかに思っていたとします。でも、他の応募者にもう既に実務経験があり、十分な英語力を身につけている人がいたとしたら、「英語を使えるようになりたい」 というあなたの向学心を見せることは返ってマイナスポイントになるわけです。
ですから、あなたがやりたいこと、学びたいことを話す時には十分注意してください。
プロとして働くのですから、あなたがあなたの技術を会社に売り込まないといけないのです。会社から給料をもらいながら勉強をさせてください、という姿勢はプロ意識の無い、恥ずかしい姿勢ですから、それを面接官に見せないように十分気をつけてくださいね。
これは外資系への転職に限ったことではありませんが、とくに気をつけたほうが良いでしょう
面接の時に会社側のメリットを語る、ということはもちろん外資系への転職の時に限った話ではありません。
しかし、特に外資系、米系企業への転職となると、「英語を学びたい」 とか 「アメリカで暮らしてみたいから」 という理由を語る人が多いようです。面接する側もそんな風な受け答えにうんざりしているので、 「またか・・・」 「この人も何も考えてないな・・・」 とすぐに思いがちです。
うっかり本音が出てしまわないように、しっかり準備してから、面接へ臨むようにしてください。