英語名を考える時に配慮するべき3つのポイント
|最近は IT 業界でも、英語を使った諸外国とのコミュニケーションがますます必要となってきています。アメリカはもとより、インドや中国などのエンジニアと英語でコミュニケーションしなければならない機会も今後もっと増えてくるでしょう。
仕事をするときは、相手に名前を覚えてもらった方が良いです。このため、英語で仕事をするときには、英語名をニックネームとしてつけた方が良いです。
私は以前マイクロソフトに勤めていた頃は駐在員として、日米で働いており、今はロサンゼルスの IT 企業で働いています。今日は私の実体験を元に 「英語の名前を考える」 ということについて書いてみようと思います。
ニックネーム “Keith” は私自身が発音できなかった
実は私は Keith という名前を時々名乗っています。
戸籍にのるような正式な名前ではなく、いわゆるニックネームです。自分で勝手に付けました。
Keith はカタカナで書くと 「キース」 という風になるのですが、キースの 「ス」 の部分の発音は th の音です。 舌を歯で軽く噛みながら、息を 「スーッ」 っと吹き出した時の音です。舌を噛んで口を閉じた形になっているので、息を吹き出すには少し力強く吹くが要ります。
この音は日本語に無いので、はじめは苦労しました。
スタバなどで 「名前は?」 と聞かれて 「キース」 と答えても、カップに Keith と書いてもらえませんでした。やはり 「th (ス)」 の発音がまずいらしく、 カップには Keen とか Kim などと書かれてしまうのです。
スタバでも聞き取られていないのですから、仕事上でも聞き取られていないのは明らかです。
これではまずいと思い th の音を特訓しました。その結果、 th 音ができるようになってからは、毎回ちゃんと Keith と分かってもらえるようになりました。
Keisuke という名前は英語では読めない
そんな苦労もあれど、 僕が Keith というニックネームを使うのは、それでも Keisuke よりはずっとマシだからです。
Keisuke という綴りでは、日本語の 「ケイスケ」 にならないのです。 日本語の名前に慣れているアメリカ人の人以外は、ほぼ100% 「キぃスッキ」 と読みます。 「キぃスッキ」 では 「ケイスケ」 という名前と全然違います。アメリカの人と働き始めたはじめの頃は 「キィスッキ」 といわれても、自分のことを呼んでいることさえ気付かなくて苦労しました。
そもそも Keisuke という “名前” はアメリカ人にとっては特殊な名前です。名前を見ただけでは、男か女かもわからないし、無理やり読んだような 「キィスッキ」 では覚えにくく、なかなか覚えてもらえないものです。
ちなみに、この経験があったので、2007年にプロ野球の松坂大輔 (Daisuke Matsuzaka) 選手がボストンレッドソックスに移籍したときは、「Daisuke は読めなくて困るだろうなぁ」 と思っていました。
結局、松坂選手は Dice-K という風なニックネームを名乗っているようですが、発音は確かに日本語の 「ダイスケ」 に近付くでしょうが、そもそも名前なのかなんなのかさっぱりわからないですよね・・・。 もちろん K は野球で三振を意味することは知っていますけど、それでも Dice-K はなんのことやら、と思ってしまいます。
あなたも自分の英語名を考えてみよう!
プロ野球選手など、アメリカで活躍する日本の有名人はあまり英語名をつけようとしないので、日本人が英語の名前を勝手につけてそれを名乗るのは一般的でないと思われるかもしれません。
しかし、アメリカでは日本人も英語名を名乗ることは珍しいことではありません。
それはやはり、僕の名前のように読めなかったり、覚えてもらえなかったりすると都合が悪いからです。アメリカで働くならアメリカ人風の名前を持っていた方が、覚えてもらいやすいので何かと都合が良いです。
特にアメリカ人と英語を使って仕事に関わる人は、英語名を考えておくのは必須と言っても過言ではないです。可能なら名刺の英語表記は、英語名にしてしまうと良いと思います。
自分の英語の名前を考えるポイント
例えば、アメリカから日本に来た若くて可愛い白人女性が、 「寅吉 (トラキチ)」 という名前を名乗っていたらどうでしょうか。
本人は「日本らしい名前」 と思っているかもしれませんが、その名前を聞いた日本人はたいてい、(あれ?トラキチさんって、女性だったんだ。男かと思った。しかも、若いのか・・・) と少々驚くことでしょう。
その名前自体は悪くないとしても、あまりふさわしいニックネームとは思われません。
そこで今日は、そうした失敗を避けるために、英語名をつける時に配慮すべき僕なりの注意点をご紹介します。
ひとことで言えば 「無難な名前を付ける」 という一点に尽きますが、それでは、なかなか名前を選べないのでもっと具体的に説明しましょう。
ズバリ、英語名を考える時の私流のポイントは次の通りです。
- アメリカ名として同世代で一般的な名前を付ける
- 自分で発音しやすい名前を付ける
- 名前の意味を確認しておく (意図しないメッセージを伝えていないか)
1. アメリカ名として同世代で一般的な名前を付ける
第一のポイントは、「アメリカ名として一般的な名前を付ける」 ということです。
一般的な名前の調べ方として、次の方法があります。
アメリカの社会保障庁 (Social Security Administration) のウェブサイトで、人気の赤ちゃんの名前 (Popular Baby names) を調べることができます。
Popular Baby Names – Social Security Administration
http://www.ssa.gov/OACT/babynames/
このページでは、年度毎に人気の名前を調べることができます。あなたの生まれ年を入力することで、あなたと同世代の人の中で一般的な名前を調べることができます。
時代の流れもあり、最近人気のある名前では違和感のある名前になる可能性がありますから、同世代の人の中から選ぶ方が良いとおもいます。
これはどういうことかというと、例えば日本で最近人気のある名前として、次のような情報があります。
明治安田生命 名前ランキング
http://www.meijiyasuda.co.jp/profile/etc/ranking/best100/
いかがでしょう?
あなたの同世代に、このような ”人気のある名前” の友達はいるでしょうか?全くいないということは無いと思いますが、そんなに一般的ではないと思います。
どこでも名前の流行はありますから、同世代の中で人気の名前を選んでおいた方が無難なはずです。
2. 自分で発音しやすい名前を付ける
自分で自分の名前を名乗った時、上手に発音できずに意図しない名前で相手に覚えられても困ります。自分が上手に発音できる名前にしましょう。
しかし、自分が上手に発音していると思っても、上手でない可能性もあります。発音が上手にできているかどうか、相談できる人がいる場合は聞いてみましょう。
相談できる人がいない場合は、とりあえず、R、L、TH などが混ざる名前は避けておいたほうが無難です。 (例えば Alan、Alton、Keith 、Rachel などは発音が難しいです)
3. 意味をチェックしておく (特に宗教関係など)
上の二つ (一般的な名前で発音しやすい) を考慮していれば、特に問題はないのとは思いますが、念のため名前の意味をチェックしておきましょう。
名前の意味をチェックするには、次のようなサイトが利用できます。
Name Meanings
http://www.name-meanings.com/
念のため、特に特定の宗教に偏りすぎるなど、意図しないメッセージを伝えてはいないかチェックすると良いでしょう。
以上のポイントをおさえておけば、あとはあなたの好みで名前を選べば OK です。
はじめは、「ティファニ~」 などと呼びかけられて 「はい」 と返事するのが照れくさいかもしれませんが、すぐに慣れますので、恥ずかしがらずに英語名を考えてみましょう!