Web サイトで高機能な書式付入力を可能にする TinyMCE の基本的な使い方
書式付入力を実現する方法として人気が高いのは TinyMCE です。TinyMCE は WordPress、Drupal、Joomla! 等、非常にシェアの大きい各種 CMS で利用されています。ライセンスは LGPL です。
この資料では TinyMCE の基本的な利用方法を紹介します。
TinyMCE のダウンロードサイトでは、次のダウンロードパッケージがあります。
- メインパッケージ (Main Package) - TinyMCE の利用に必要な最低限のパッケージ
- 開発パッケージ (Development Package) - TinyMCE のプラグインの開発などに必要なソース、ツール付きパッケージ
- jQuery パッケージ (jQuery Package) - jQuery を含むプラグイン付きのパッケージ
- 言語パック (Language Packs) - 各種言語パック
ここではメインパッケージで、TinyMCE を利用する基本的な方法を紹介します。
基本的な利用方法
TinyMCE の入手
TinyMCE の Web サイトから Main Package をダウンロードします。
zip ファイルを展開して配置すれば OK です。 このときに tinymce ディレクトリ以下全て配置するようにしてください。適当に掻い摘んで配置するとトラブルの元です。 ただし、examples ディレクトリは削除しても大丈夫です。
tiny_mce.js の取り込み
TinyMCE を有効化するには、TinyMCE パッケージ内の JavaScript、 timymce/jscripts/tiny_mce/tiny_mce.js を取り込みます。
ファイルへのパスについては、あなたの環境に合わせて適当に変更してください。
tinyMCE.init でのパラメータの設定
tinyMCE.init 関数にパラメータを渡すことで、各種カスタマイズを実施可能です。
詳細は後ほど記載します。ここでは最も単純な設定を行いましょう。
次の JavaScript コードを、tiny_mce.js を取り込んだ後に記載します。
tinyMCE.init({ mode: "textareas", theme: "simple" });
mode、thema などのパラメータの意味については、下で説明します。
テストコード ~ 試してみよう!
下記のコードで次のようなエディタが表示されるはずです。
<!doctype html> <html> <head> <script type="text/javascript" src="tinymce/jscripts/tiny_mce/tiny_mce.js" ></script> <script type="text/javascript"> tinyMCE.init({ mode: "textareas", theme: "simple" }); </script> </head> <body> <form> <textarea name="content" cols="50" rows="15" > Hello, TinyMCE! </textarea> </form> </body> </html>
こんなエディタが表示されるはずです。
編集した入力情報をサーバーに送る方法として最も簡単なのは、このフォーム内に Submit ボタンを配置し、 form 要素の action 属性に指定したところへ post することでしょう。特にサーバー側で特別なことはありません。 「普通の」ポストデータです。
基本的なパラメータの設定
モード - mode
パラメータ mode で、どの HTML 要素をエディタにするか指定します。
上の例では mode として textareas を指定しています。これはそのページ内の、 全ての textarea 要素をエディタに変換するという意味です。
特定の HTML 要素 (textarea に限りません) をエディタに変換する場合は、mode に exact を指定して、 要素の ID を elements の値に設定します。
テーマ - theme
ビルトインのテーマは "simple" と "advanced" の二つのみです。
simple では上のスクリーンショットのように非常に限られた機能だけが利用可能です。 各種ボタン、プラグイン等を追加するためには、advanced にします。
advanced で利用できるツールバーボタン、プラグイン
スキン - skin
TinyMCE ビルトインのスキンは、"default" と "o2k7" です。o2k7 は Office 2007 の略で、 マイクロソフト社の Office 2007 のような色合いになるようなスキンです。
default および o2k7 スキンではツールバーは次のように表示されます。
スキン default
スキン o2k7
この資料では TinyMCE の基本的な使い方を紹介しました。 より多くの処理を実現する advanced テーマについては、また別の資料で説明します。