あなたの仕事の生産性を10倍に高める7つのP

単純な乗り換えなら誰でも調べるが...

例えば東京から北海道になるべく早く行きたいとき、あなたならどうしますか?

恐らくたいていの人は、現在位置から羽田空港への電車の乗り継ぎ時間を調べ最速到着時刻を考慮したうえで、搭乗可能な最も早い新千歳空港行きの飛行機の便に乗ろうとするのではないでしょうか。あるいは便利な乗り換え案内サービスがあって、それに目的地を入力すれば、電車・飛行機の便、両方含めて最短経路を示してくれるかもしれません。

いずれにしても大切なポイントは、最速で北海道に到着するための経路を事前に調べるはずだ、ということです。

まさか、急いでいるからといって、いきなり北海道に向かって走り出す人はいないはずですよね(笑)

しかし、意外とそれを笑ってもいられないものなのです。

いざ仕事になると事前に準備せずに走り始めるという人は少なくないのです。

刃を研いでから仕事をしていますか?

"7つの習慣" から次のエピソードを引用します。

森の中で木を倒そうと、一生懸命ノコギリをひいているきこりに出会ったとしよう。
「何をしているんですか」とあなたは訊く。
すると、「見ればわかるだろう」と無愛想な返事が返ってくる。「この木を倒そうとしているんだ」
「すごく疲れているようですが・・・。いつからやっているんですか」とあなたは大声で尋ねる。
「かれこれもう五時間だ。くたくたさ。大変な作業だよ。」
「それじゃ、少し休んで、ついでにそのノコギリの刃を研いだらどうですか。そうすれば仕事がもっと早く片付くと思いますけど」とあなたはアドバイスをする。
「刃を研いでいる暇なんて無いさ。切るだけで精一杯だ」と強く言い返す。

このきこりのような人が、どれだけ多いことか。刃を研いでから物事に取り掛かればよいのに、刃を研がない人がどれだけ多いことか。

事前準備とはそういうことです。

仕事を早く終わらせるために重要なポイントを考えて、それをひとつひとつ片付ける。それから本題に取り掛かる。

上記の例で言えば、木を倒すのに5時間以上かかってしまう前に、1時間かけてでもどうしたら早く木を倒せるか考えて、1時間ノコギリの刃を研いで、それから1時間で倒せばよいのです。そうすれば計3時間で木を倒せることになります。2時間以上節約できたことになります。

一日24時間、業務時間は8時間しかないわけですから、2時間の節約は貴重です。その時間で他の仕事を片付けることも出来るでしょう。

こういうと、当たり前のように聞こえるかもしれませんが、意外と実践できない人は多いものです。

目先のことばかり追いかける人は意外と多い

私が身をもって実践してきた例をお話します。

私がマイクロソフトで技術主任 (テクニカルリード)として働いていたときのことです。

立場上、他のエンジニアから技術的なアドバイスを求められることが多かったのですが、ある日、Web について非常に基本的な質問を受けました。HTTP の基本さえ抑えておけば、自然と答えが導き出せる程度の内容です。

私は以前から「刃を研ぐ」 ということを信条としてきたのでこういう場合、即座に答えを教えることはなるべく避けていました。 この場合でいえば、 「HTTP の基本を理解する」 ことこそが、最も早く、最も的確な最終回答を導き出す最短コースであると信じているからです。

逆に単純にその場その場で答えだけ教えても、基礎を理解していないわけですから、すぐに次の質問、その次の質問が湧き出てくることは明らかです。そうすると、私の時間も相手の時間を消費してしまいます。これは明らかに無駄です。

私はそういうわけで、一見、遠回りに見えることをしていたのですが、残念ながらしばしばそれを理解されずに、「小山は簡単に教えてくれない」 と批判を受けることもありました。

目先のことだけを見れば確かに、私ならばすぐにできる仕事、すぐにわかる仕事に、少し時間を使わされるわけですから、その気持ちもわからなくはないのですが・・・。

しかし、急いでいるからといって目先の回答ばかり追い求めるのは、冒頭の例で言えば、北海道に向かって走り出してしまう人と一緒です

最短ルートをしっかり調べるより、一歩でも北海道に近づいているのは確かですが、少しでも長期でみれば、より良い結果を得るのはしっかり 「下調べをした人」、 「刃を研いだ人」 なのです。

物事を行うときに、事前にしっかり準備することは非常に重要です。

大きな仕事ほど事前の計画が大切

それは、大きな仕事であればあるほど、事前準備はより重要になります。

渋谷から原宿に行く程度ならば、いきなり走り出しても構わないかもしれませんが (それでも結構な時間の無駄ですが)、東京から北海道へ行く、ということになると、絶対にいきなり走り出してはいけない、ということと一緒です。

小さなプロジェクトならこなせるのに、少し規模が大きくなると途端にめちゃくちゃになってしまうマネージャを見かけたことがありますが、そういう人はちゃんと事前に計画したか確認するべきです。

「計画時の1分は実行時の10分を節約する」 といいます。

また、アメリカでは 7-P Formula (7つの P の公式) などといい、次のような言い方もあります。

"的確な事前準備によって、酷い業務成果になることを避けることができる。"
Proper Prior Planning Prevents Pretty Poor Performance.

「急がば回れ」 といいますが、まさにその通り。

急ぎたい時ほど、事前準備をしっかりするべきなのです。

こうしたことを心がけるだけで、あなたの仕事は以前の何倍も捗るはずです。

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